リズムの良し悪しは、演奏の「上手い・下手」を決定づける要素の一つです。
どんなに技術的に難しいフレーズを弾いていても、伴奏とズレていたり、リズムがぐちゃぐちゃでは下手に聴こえてしまいます。
そうならないためにも、リズムをしっかり取れるように練習することは避けては通れません。
そこで今回はリズムを捉える上での基礎となる8分音符を使って、基本的なリズムを練習して行きます。
根本的にメトロノームに合わせられない方は以下の記事も参考にしてください!
「拍」の意味が分からない人は以下もどうぞ!
Lv1「休符の無いパターン」
最初は休符の無いパターンでしっかり合わせられるようになりましょう。
まずはダウンピッキングだけで弾いていきます。
テンポは余裕を持って設定してください。
遅すぎても難しいので最初はBPM=80くらいがおすすめです!
メトロノームが一度鳴るたびに2回ずつピッキングします。
このトレーニングをする時は、演奏と合わせて「タタタタ」と口で言ってみましょう!
そうすることで脳に基本的なリズムがインプットされます。
次は1,3拍目を4分音符で弾き、2,4拍目を8分音符で弾くパターンです。
4分音符は「ター」もしくは「タア」と発音して、8分音符2つ分の時間を発声します。
これは先ほどとは逆のパターンで、1,3拍目を8分音符で弾き、2,4拍目を4分音符で弾くパターンです。
「タタター、タタター」と繰り返し発声しながら弾いてみましょう。
Lv2「休符の無いパターンをオルタネイトピッキングで」
次はLv1で弾いたフレーズをオルタネイトピッキングで弾いていきます。
オルタネイトピッキングで弾く時のコツは、拍の頭は必ずダウンピッキングで弾くのを意識することです。
オルタネイトピッキングで弾いているときは、メトロノームが「カチ」と鳴った時は必ずダウンピッキングになっていなければなりません。
最初のうちはアップピッキングの時にリズムが遅れてしまいがちです。
原因はダウンとアップの時で、「ピッキングの深さが違う」「ピッキングの角度が違う」ことが考えられます。
今後の上達を速くするためにも、ダウンとアップでピッキングが変わらないように注意して練習しましょう。
4分音符の後に8分音符が出てくる場所で、ダウンピッキングが連続している場所があるのが分かると思います。
ここでは、4分音符を弾いた後にアップピッキングを空振りして、次の8分音符を弾くようにしましょう。
この空振りのことを「空ピッキング」と呼びます。
最初のうちは、空ピッキングの際ピッキングの幅が狭くなりがちです。
空ピッキングは、実際にピッキングしているときと差をつけないようにするのがポイントとなります。
動きは一定にし、ピックを弦に「当てるか当てないか」だけで弾き分けましょう。
こうした一定の動きを繰り返すことが、安定したリズムの基礎を身に付けるのに繋がります。
先ほどと逆のパターンをオルタネイトピッキングで弾いていきます。
考え方や練習方法は同じです。
ここではもう一歩、確実にリズムを捉えるための要素を追加しましょう!
普段からリズムを取ることに慣れていないと、同じパターンのリズムが続くと小節の頭を見失ってしまいがちです。
そこで、「タタター」に慣れてきたら、次は拍ごとに「ワン・ツー・スリー・フォー」と発声してみましょう。
もし、「ワン・ツー…」を発声しながら弾けないのであれば、まだ「タタター」の感覚が身に付いていないと言えます。
しかし、ここまでマスターすることが出来れば、リズムを上手く取れるようになっているはずです!
最初は難しいかもしれませんが、Lv2までは初心者でもしっかりマスターしておくことをおススメします。
Lv3「1小節に休符が1つ入ったパターン」
Lv3では休符を含むリズムを練習して行きましょう。
休符は音を鳴らさないことを指示する音符ですが、「弾かない場所」と思ってしまうと、リズムが認識しづらくなってしまいます。
変な表現ですが、楽譜に休符が出てきたときは「休符を演奏している」という意識が重要です。
最初は1小節の中に4分休符が1つ含まれるパターンを練習します。
それぞれの小節の1~4拍目に休符が含まれているのが分かるでしょうか。
オルタネイトピッキングをキープしながら、休符になっている部分だけを空ピッキングしていきます。
ダウンアップ1セットなので、休符ごとに2回空ピッキングです。
また休符の含まれたリズムトレーニングをする際には「休符を演奏する」感覚を養うために、休符にも言葉を当てはめてあげます。
4分休符は「ウン」と発声しましょう。
つまり一小節目なら「タタタタタタウン」と言いながら演奏します。
次は各拍の裏に8分休符が入るパターンです。
8分休符の部分は「ウ」を当てはめて発声しましょう。
空ピッキングは全てアップの時だけになります。
8分休符になると、4分休符に比べてピッキングのコントロールが難しく感じるでしょう。
難しい場合は頭でしっかり「ここで休符だ!」と認識できるテンポまで落として練習します。
一見、「こんな遅いテンポで演奏することないから意味ねえじゃん」と思うかもしれませんが、一度しっかりしたリズム感が身に付けば、速く弾こうが遅く弾こうが関係ありません。
しっかりとしたリズムを繰り返し、体と脳に染み込ませることで自然と体が動いてくれるようになります。
ここはグッとこらえて、じっくり取り組んでみましょう。
次は拍の頭に休符の入ったパターンです。
このフレーズでは、ダウンの空ピッキングを途中に挟んでも、リズムがズレなくなる状態を目指します。
拍の頭を空ピッキングしてから、アップピッキングで弦に当てるので、少し難しく感じるかもしれませんが、これも慣れなので繰り返し練習してみましょう。
また休符の位置が一小節ごとにズレて行くことによって、小節の頭を見失いやすくなるので、その点にも注意する必要があります。
Lv4「付点休符を含むパターン」
Lv4は付点休符を含むパターンを練習して行きます。
この辺りから混乱しやすくなりますので、焦らずじっくりやりましょう。
付点4分休符と聞くと複雑に感じますが、要は8分休符三つ分の長さの休符のことです。
つまり付点4分休符の部分では、空ピッキングを3回入れるようにします。
1回や偶数回の空ピッキングは認識しやすいですが、それ以外の奇数の空ピッキングは、少し混乱してしまうでしょう。
しかしLv3までの内容がマスター出来ていれば難しいことはありません。
しっかりと歌いながらやれば、必ずできるはずです!
Lv5「複合パターン」
ここからはLv4までが確実に出来ていることを前提として、8分音符を基礎としたリズムトレーニングの総合練習パターンを載せていきます。
一つずつ挑戦してみて、サラッと弾けないものは繰り返し練習してみましょう!
①複数の8分休符
前半は拍の裏でリズムを取るトレーニングに、後半は表拍をスタッカートで弾くトレーニングになっています。
②4分休符と8分休符が混在
8分の休みと4分の休みが交互にあるパターンです。
休符がしっかりと意識出来ているかを確認することができます。
③スケールの合間に休符
フレーズを弾いた場合でもリズムが崩れないようにするための基礎トレーニングです。
一つの弦を弾いているだけとは違った難しさがあります。
左手に気を取られてオルタネイトピッキングが疎かにならないようにしましょう!
8分音符で出来るリズムトレーニングは無限にある
今回は基礎の部分を固めるためのトレーニングと、応用を少しだけ紹介しました。
世の中のほとんどの曲は8分音符主体で書かれています。
そのため上手く演奏するためには、8分音符でのリズムトレーニングは非常に重要です。
8分音符主体で作れるリズムトレーニングはいくらでも生み出すことができます。
しかし、その全てを紹介していては本を一冊書けるぐらいのボリュームになってしまいますので、一部だけの紹介となりました。
今後も折を見てトレーニングを追加していきますので、たまに見て頂けると新しい項目が追加されているかもしれません。
リズムに困った時は、またこの記事に戻ってきて基礎を磨いてみてください!
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