楽器を始めて、それなりに演奏できるようになると「人前でも演奏してみたい」と思いが湧いてくるのではないでしょうか。
とは言え、今まで一度もステージに立ったことない人にとって、自分が出演者となって人前で演奏するのは恐ろしいものです。
そこで今回は、「ちょっとライブ出てみたいな」と思っている方に向けて、ライブ出演に必要な準備や、ライブのやり方、最低限の知識を解説します!
これを読めば「心配なくライブに出れる」を目標として書いていますので、ライブ出演に不安を感じている方は是非読んでみてください。
ライブ出演までの準備
当然ですがライブに出演するためにはある程度準備が必要です。
いきなり「ライブしてぇから来週末やろうぜ」というわけには行きません。
ここではライブ出演までの道のりを紹介しますので、1項目ずつチェックしてみましょう。
曲を準備する
ライブをするからには演奏するための曲を準備する必要があります。
準備するべき曲数は出演する環境によって前後しますが、ライブハウスやバーで対バンする場合は4~6曲程度で良いでしょう。
対バンとは、一つのイベントに複数のバンドで参加することを言います。
初心者のうちはほとんどがこの形式になるでしょう。
ほとんどのイベントで、1バンドの持ち時間は30分から長くて45分程度です。
1曲5分と考えれば、MCの時間や準備・片付けなどを含めて4~6曲の演奏になります。
曲の練習をする
曲を決めたら次は、ライブに向けて練習することになります。
ここでライブに出たことない方は「どれくらい演奏出来たら出演していいのだろう」と疑問に思うでしょう。
結論から言えば、どんな状態でも出演して大丈夫です。
敢えて最低ラインを提示するとすれば、
- 曲を最初から最後まで止まらずに演奏できる
- 楽器やマイクの使い方を理解している
この点が抑えられていれば下手くそでも構いません。
むしろライブでは演奏の上手さよりもパフォーマンスの方が重視されます。
練習出来るところまで練習したら、あとはMCやパフォーマンスを考えた方が良いでしょう。
ライブする場所を決める
曲も決まり、演奏の練習も程よく進んで来たら、次はライブ出演できる場所を探します。
普段意識して探さなければ、どこでライブ出演できるか分からないかもしれません。
しかし、探してみると意外と色んな場所で出演者を募集しています。
代表的なものは
- ライブハウス出演者募集
- ライブ・バー出演者募集
- 地域のイベントの参加者募集
などでしょう。
大体はHPやお店の張り紙に記載されていますので、興味があれば直接連絡してみましょう。
演奏楽曲の種類に指定があったり、バンド編成に指定がある場合もありますが、それらは分かりやすく記載されているはずですのでしっかりチェックしてから申し込むようにします。
(ex.アコースティックライブ、メタルセッション等)
また、単独で活動している方なら、路上ライブやセッションへの参加も選択肢になります。
路上ライブは基本的にどこでも出来ますが、周囲の迷惑になるような場所は避けなければなりません。
特に店舗前や駅周辺では、警備員や警察の取り締まりによってすぐに撤去させられることがあります。
もし、撤去を促されたら素直に従い、揉めたりしないようにしましょう。
ライブ本番に必要な機材をしっかり揃える
ライブへの出演が決まったら、あとは本番に向けて準備をするだけです。
この段階ではライブに必要な機材をしっかりとチェックしておきます。
例えば、ライブハウスはコンセントや配線が、スタジオでの練習の時と同じようにはいきません。
いざ、ステージで準備してみると、シールドが短くてアンプに届かなかったり、エフェクターのアダプターがコンセントまで届かないということがあるのです。
そうならないためにも、配線類は長めのものを準備しておくことをおススメします。
シールドは3mと5mを準備し、エフェクターの電源用にはシンプルな延長コードを準備しておきましょう。
またギターやベースなどの弦楽器を演奏する人は、演奏中にストラップが外れないようにストラップロックを装着するのが良いでしょう。
ライブ用の衣装を考える
ライブ前の最後の準備として、ライブ用の服を準備しておきましょう。
「プロじゃないんだから衣装なんてどうでも良いだろう」と思う方もいるでしょうが、ライブでの衣装は非常に重要です。
例えば、明るいポップスばかりを演奏するバンドなのにメンバーの一人が、鎖ジャラジャラのパンクファッションだったら、演奏を観る方は違和感を感じてしまいます。
また逆に、反社会的な激しい曲ばかりを演奏しているのに、メンバーが優し気なファッションであっては、お客さんは曲の世界に入り込めないでしょう。
このようにライブでは視覚情報も非常に大事になってきますので、演奏する曲の雰囲気に合わせてメンバー内である程度、衣装の方向性を決めておく必要があります。
ライブ出演関して知っておきたい知識
ここまでライブ出演までにしておきたい「準備」に関してお話ししましたが、ここからはライブ出演する上で知っておいたいた方がよい予備知識に関して解説します。
しっかりと準備をし、ここで紹介する知識をしっかり覚えておけば、もうライブ出演は怖くないはずです!
ライブで何を演奏するか
ライブで演奏する曲は「オリジナルでなければならない」ということはありません。
- オリジナルだけ
- オリジナル+カバー
- カバーだけ
どのような構成で出演しても良いのです。
(※ただしイベントによって制限される場合があるので注意)
まだ知名度が無い内は、演奏する曲の中にカバー曲を組み入れていくのがおすすめです。
初めてのライブでは、お客さんはまだあなたのことを知らないので、感情移入がしにくいでしょう。
そこで、誰でも知っているカバー曲を演奏するのです。
知っている曲でお客さんを盛り上がることができれば、自然と心の距離が縮まり、一緒にライブを盛り上げてくれる味方にすることができます。
共演者・スタッフには元気よく挨拶
ライブはそこにいる全ての人たちの力によって成り立ちます。
場所を提供し、機材を調整してくれるスタッフさん、一緒のイベントで演奏してくれる他の出演者たち。
皆の協力があるからこそ、ライブは盛り上がるのです。
そのため、周囲とは円滑なコミュニケーションを取らなければなりません。
その円滑なコミュニケーションの入り口となるのが「元気よく挨拶」することなのです。
良好な関係を築いておくことで、ライブ初心者で分からいことがあって困っても、気兼ねなく周囲に聞くことができるでしょう。
分からないことを分からないままにしたり、勝手な判断で行動すると、大きなトラブルの原因となりかねませんので注意が必要です。
アンプやスピーカーの上にスマホを置かない
ステージ内にスマホを持ち込んで撮影したり、曲を確認したりする人もいます。
持ち込むのは良いのですが、使わないときのスマホは必ず、バッグなどにしまうようにしましょう。
間違ってもアンプやスピーカーの上には置いてはいけません。
スマホは常に電波の送受信をしており、アンプなどの上に置くとその電波が干渉し、思わぬノイズの原因となります。
一人でスタジオにいるときならまだしも、ライブではお客さんに大音量のスピーカーが向いている状態です。
その状態で大きなノイズが発生したら……後はわかりますよね?
ケーブルを抜き差しする時は、必ずスタッフに確認する
ライブで自分の番が来てセッティングする時、また演奏が終わってケーブルを抜き差しする時は必ずスタッフさんへの声掛けをしましょう。
「今抜いて良いですか?」「挿しますね」など簡単に聞いて、OKが出てから挿すようにして下さい。
ライブ会場では、基本的にマイクやアンプから出る音は、一度マイクで拾った音をミキサーに送り、そこから客席に向けたスピーカーに流されます。
ミキサーとは簡単に言うと、ライブ全体の音量バランスを取るための装置です。
音響スタッフは出演者ごとにこのバランスを取り直し、演奏が良く聴こえるように調整をしてくれています。
そのためミキサーの音量を下げているか、入力をオフにしているとき以外にケーブルの抜き差しをすると、「ブッ」やら「バリッ」と大きなノイズがなってしまうのです。
更にこのような音を鳴らすと、機材にも大きな負荷が掛かってしまい、最悪の場合、故障の原因となってしまうことすらあります。
マイクは叩かない、床に置かない
マイクの音が入っているか確認するために叩いたり、物を取るために床に置く人がいますが、これはやってはいけません。
マイクは非常にデリケートなものですので、それだけで傷んでしまいます。
使わないときは必ずマイクスタンドに立て、叩いたりなどの衝撃は加えないようにしましょう。
ライブの出演料
ライブに出演するにはお金がかかります。
金額は本当にピンからキリまであり、「店で最低1杯飲む」のが出演料のこともあれば、1バンドで数千円から数万円払うこともあります。
前者の場合はライブバーでのライブや、小規模なイベントでよくある設定です。
後者はライブハウスの場合で、数万掛かるのが一般的でしょう。
そういった金額設定の場合は、チケットを売った金額の一部が戻ってくるシステムになっています。
とは言え、利益を出そうと思うと50人前後呼ばなければならず、初心者の段階で「稼ぐ」ことは考えない方が良いでしょう。
ライブ出演は気軽にできる
ライブ出演は、しっかりと演奏するための準備をして、基本的なルールを守れば誰でもすることができます。
ライブ出演は怖くありません。
むしろ音楽活動にプラスになることばかりです。
人前で演奏出来たという経験は、演奏者としての自信につながるでしょう。
また大きな音で演奏したことによって、新たな課題が見つかったかもしれません。
一度、勇気を持ってライブ出演をしてみませんか。
新たな世界があなたを待っていますよ!
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